アファーマティブ・アクションは、一般には「差別撤廃」や「積極的差別是正」の方策として、理念的にはとくに問題とされない。しかしながら、その実際的運用や効果測定の場面においては賛否両論がある。
構造的に内在する差別を解消するために、機会不平等の是正策として、特定の民族あるいは階級に対して優遇措置を制度上採用し、例えば貧困層の階級出身の学生に対する生活援助や奨学金などの制度が各国で広く採用されている。このような制度を積極的に採用するアメリカ、インド、マレーシアや南アフリカなどの国々においては、政府機関の就職採用や公立教育機関(特に大学)への入学において、被差別人種とされる黒人やヒスパニック系の人種(白人のヒスパニック系は除く)、あるいは被差別カーストのために採用基準を下げたり、全採用人員のなかで最低の人数枠を制度上固定するなどの措置がとられている。
しかし他方でアファーマティブ・アクションは、「不当」な社会的・経済的格差が確固として存在している場合、特定の制度により採用の機会を平等にしたとしても、実質的にはこれまでの格差に由来してさらに機会に差を生じ、格差は是正されず機会の不均等はさらに拡大するとの議論もある。
各国の事例 [編集]
日本 [編集]
男女共同参画社会基本法の規定による男女共同参画基本計画により、2020年までに、指導的地位に女性が占める割合が少なくとも30%になるよう期待し、各分野の取組を推進と定められており、各分野で積極的にポジティブ・アクションが実行されている。 具体例としては大学入試において女性優遇入試(女子特別枠)や雇用において女性優遇採用(千葉県、大阪府、名古屋大学、東横イン、TOTOなど)がなされている。
障害者については、「障害者雇用枠」が一般募集枠と別に存在し、障害者の雇用の促進等に関する法律に基づく義務雇用率が定められている(50人以上雇用している社・団体について1.8または2パーセント)。
部落差別における同和対策事業特別措置法(1969年7月10日施行、1978年11月13日法律第102号で改正、1982年3月31日失効、1982年3月31日から1986年度3月31日まで有効の法律第16号地域改善対策特別措置法、地域改善対策特定事業に係る国の財政上の特別措置に関する法律1987年3月31日法律第22号に引き継がれた)などがこれに類すると考えられる。
バク転 ルーシュ ハーブ シニカ テンペラ オーソー スラウ タナトス パンヤゾ いす 夢のカケラ コテージ リターン シーバー ディズム 不死鳥 パドボ 無邪気 アニン シノプシ クリア ラック 君の左手 ライム テストケー ダラス バイア ツルグミ めじり パントモ ニュー ニング エカナ ルノワー シング スカイブル マルメロ パジャマ こむぎ ズボン ウエハース きょうりん ステラ リレー きんかん ドレナ スキーリ パラメデ ローフ アイスティー
補助措置としては明治時代の1899年に松前藩によって弱者となっていた北海道の先住民であるアイヌを救済し保護するとの名目で北海道旧土人保護法が制定された。これは和人とアイヌとの間の格差を是正し、「同じ日本人」となるような同化政策を行っていくために制定された法律であった。1997年にアイヌ文化振興法の成立に伴い廃止となった。
アメリカ合衆国 [編集]
アメリカ合衆国では黒人やラテン系の平均の学力が低いために進学率が低いことを是正するために大学において一定枠の確保(理想としては黒人の全人口に対する割合と同一の合格確保)が行われている。差別が論拠とされるが非白人で被差別民族であるはずのアジア系(東洋系およびインド系)の人種は成績が全体として高いためにこの優遇措置を受けることができない。またアメリカの大学の入試においては課外活動での活躍が評価され、この分野では総じて白人が有利とされる。よって成績が平均的に優秀であるアジア系が大学入学においての不利とされる。ちなみに課外活動がアメリカの大学の入学審査で考慮されることになったもともとの理由は1920年代に遡り、学力で白人より優秀であったユダヤ人の入学数を有名大学で制限するためであった。この場合は実際の課外活動の内容に関係なく人為的にユダヤ人の点数を下げていた。現在ではこのような人為的な人種別の点数操作はなくなったが、結果として学問に熱心なアジア系の学生に対するハンディとなっている。また最高学府であるはずの大学の入学審査に課外活動が審査基準の一部であることの正当性も問われている。
アメリカの大学入試競争においてはゴールラインが人種枠ごとに別々に引かれてあり東洋系は他人種以上に成績をあげることが必要となる。別にアジア人であるから生まれつき頭がいいなどの科学的事実があるわけでなく成績はあくまで個人の努力の反映であるので、アジア系の人種は特には個々人の事情に関わらず人一倍努力が制度上義務付けられているという逆に差別的な実態が生じている。特にフィリピンやベトナム系のアメリカ人は社会的にも不利な境遇の出身者であることが多く、白人の貧困層出身者と同じで彼らの立場改善に大きな妨げになっていると指摘されている。
プリンストン大学の社会学者のThomas J. EspenshadeとChang Y. Chungの調査によるとアイビーリーグ大学の入学審査における学力以外での基準によるSAT (大学進学適性試験)の修正点は白人をゼロとすると
黒人: +230
ラテン系: +185
アジア系(東洋系、インド系、東南アジア系): ?50
スポーツ特待生: +200
レガシー (元卒業生の子弟および大学への献金者): +160
(満点1600): Study (PDF)と優遇措置対象であると得点一割増し以上、アジア系であると3分引きとなっている。
最近のカリフォルニア州では州立大学の入学審査で住民投票で積極的差別是正措置の適用を禁じる法律が住民投票により採択された。結果として、これらの州立大学(私立は関係なし)で白人の新入生の数は大して変わらなかったが黒人の入学率が下がりアジア系の入学率が上がる結果となった。
また、雇用の面では1964年成立の公民権法に基づき雇用機会均等委員会が設けられ、連邦機関や地方自治体に黒人、少数民族及び女性を、採用の際に一定数割り当てるよう指導した。さらに、連邦労働省連邦契約遵守局が出したガイドラインにより、連邦と一定額以上の事業契約を行う民間企業などは、少数民族に平等な雇用を提供するよう、採用に人種による割り当ての具体的な数値目標を示すことが必要とされた。また、解雇の際も黒人や少数民族を優先保護し、従来の労働慣行を無視して白人を先に解雇することが認められた。
職場における昇進に関してもアファーマティブアクションが用いられており、アラバマ州警察では一時期、最高裁判決に基づき、白人警察官が一人昇進するたびに、自動的に黒人警察官も昇進させる制度が採られた。
マレーシア [編集]
マレーシアではマレー人が華人に対して経済的に低水準であることを解消するため、マハティール政権の下、大学進学や公務員採用でのマレー人優遇、会社役員・管理職へのマレー人登用義務づけなどの措置(ブミプトラ政策)が行われてきた。結果として経済的格差は縮小したが、消滅することはなかった。大学生の知的水準の低下をもたらしたとの批判もある。マハティール元首相は辞任に際して「何を行ってもマレー人を変えることはできなかった」と述べた。
法的議論 [編集]
アメリカにおけるアファーマティブ・アクションで有名な判決はBakke判決、Weber判決、Paradise判決などで、それぞれ教育、職業訓練、昇進に関する判決である。最も直近のアファーマティブ・アクション審理はミシガン大学の入学試験における人種割り当てに関する問題であり、ジョージ・W・ブッシュ大統領はこれを違憲とみなしている。基本的に人員割り当ては違憲であると最高裁で決定されたが優遇措置(成績の引き上げ)は違憲ではないとされた。すべての最高裁判事がアファーマティブ・アクションを逆差別でアメリカ憲法修正14条の違反であると認めたが、違憲の審議において優遇措置の「公共の利益」にたいする判断で判事の判断が分かれ、結果として5対4の僅差で合憲とみなされた。しかしブッシュ政権においてこの裁判で合憲判断を下した二人の判事が引退し保守派とみなされる判事が変わりに就任したため今後の最高裁の判断が注目されている。